【書籍名】マネー・メイカーズ 上巻
【著者】ハリー・ビンガム(Harry Bingham)/<翻訳>山本 光伸(Mitsunobu Yamamoto)
【判型】四六判(上製本)
【ページ数】456ページ
【定価】本体1,700円+税
【発売日】2001年4月11日
【ISBN】978-4-916199-27-0
この小説には、強烈な魅力の磁石がついている。読み出したら離れられなくなるのだ。これは興味深い経済小説であり、遺産獲得レースの推理小説であり、何よりもためになる"栄養小説"である。――評論家 佐高 信
我が子を苦しめたいと思うなら、その方法は無数にある。
だが、今は亡きバーナード・グラッドリーは新手を考え出した。法的にはもちろん彼は正当だった。ある書類が1分の隙もないよう作成され、グラッドリーの独断的な指示のもとで草稿が重ねられた。オーガスタス・アールは内容の変更にことごとく反対した。良識を持って、奪われていく家族の権利をなんとか保とうとした。
しかしながらグラッドリーは微塵も手心を加えようとしなかった。その書類は「スコットランド人の財布の紐のように緩みなく」なければならなかった。完成を見るまで彼は作成に没頭した。だが、ひとたびそれを手にするや、署名をし、永遠に自分から遠ざけた。
――本文抜粋
ハリー・ビンガム(Harry Bingham)/<翻訳>山本 光伸(Mitsunobu Yamamoto)