概要
10年後、私たちは水をめぐってどのような選択をしているだろうか。
蛇口をひねれば水が出る——その当たり前が、未来には保証されていないかもしれない。
人々の暮らしを支え続けてきた農地や地下水といった地域資源が、外資系企業に買い占められ、
急激な人口増加や高潮・洪水対策のため、東京湾に浮かぶ都市が誕生し、
地方の過疎化した集落はインフラの老朽化により見捨てられていく…。
専門家が危惧する、近未来に直面する「水」にまつわる恐ろしい話。
目次
10年後の水 「はじめに」に代えて
価値 2033年A県瑞穂平市
浮沈 2040年東京
管理 2042年S県龍騎村
分配 2040年ナディス川流域
著者紹介
橋本 淳司
1967年、群馬県生まれ。学習院大学卒業。水ジャーナリストとして、水と人というテーマで調査、情報発信を行う。Yahoo!ニュース個人「オーサーアワード2019」、東洋経済オンライン2021「ニューウェーブ賞」など受賞。主な著書に『水がなくなる日』(産業編集センター)、『100年後の水を守る』(文研出版)、『水道民営化で水はどうなるのか』(岩波書店)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎)など。アクアスフィア・水教育研究所代表として、学校での探究的・協働的な学びの支援、環境インタープリターの育成を行う。現在、武蔵野大学工学部サステナビリティ学科客員教授として水とサステナビリティ、サステナビリティプロジェクトなどを担当。