概要
日常を生き抜くために、非日常の旅をする―出会ったのは、多種多様な来訪神、踊り、祈り、そしてそれをつなぐ地域の人びとの姿。よそ者が地域の習俗に飛び込み、祭りとともに生きる住民とふれ合い見えたものとは。北は秋田男鹿半島から南は沖縄宮古島まで、全国18ヶ所の地域に伝わる祭りや年中行事を丁寧に取材し異界にふれた「非日常=ハレ」の旅。
撮影: 大石慶子
目次
■恐ろしいけどありがたい男鹿の風物詩――ナマハゲ(秋田県男鹿市)
■異形の人々が踊る羽州の奇習――加勢鳥(山形県上山市)
■野菜で作られた獅子頭に農村のクリエイティヴィティーを見る――棧俵神楽(新潟県新潟市)
■巨大な龍蛇がロードサイドをゆく――脚折雨乞(埼玉県鶴ヶ島市)
■二匹の鯉がさばかれる神仏混淆の儀式――まないた開き(東京都台東区)
■笑顔溢れる大らかな農耕儀礼――徳丸の田遊び(東京都板橋区)
■鹿ん舞から浮かび上がる「いのち」の多様性――徳山の盆踊り(静岡県川根本町)
■祭りと共に生きる人々の強さと美しさ――吉原祇園祭(静岡県富士市)
■夜明けの門前町に浮かび上がるもの――おわら風の盆(富山県富山市)
■大青蛙が愛想を振りまく奇祭――蓮華会・蛙飛び行事(奈良県吉野郡吉野町)
■二体の鬼が暴れ回る修正会の祭り――田遊び・鬼会(兵庫県加西市)
■熊野信仰の聖地に始源の火が灯る――御燈祭り(和歌山県新宮市)
■かんこ踊り王国、三重を訪ねて――佐八のかんこ踊り(三重県伊勢市)、松ヶ崎かんこ踊り(三重県松阪市)
■世界が注目する「地域のエンターテイメント」――石見神楽(島根県浜田市、大田市)
■異形の男たちと泣き叫ぶ子供たち――ヨッカブイ(鹿児島県南さつま市)
■夏の南九州に華開く太鼓踊りの楽園――伊作太鼓踊り(鹿児島県日置市)
■謎めいた火の祭りが世界を更新する――ケベス祭(大分県国東市)
■集落の悪霊を祓う南島の来訪神――パーントゥ(沖縄県宮古島市)
著者紹介
大石 始
1975年東京都生まれ。文筆家。旅と祭りの編集プロダクション「B.O.N」主宰。世界各地の音楽や祭りを追いかけ、地域と風土をテーマに取材・執筆を行っている。著書に『盆踊りの戦後史』(筑摩書房)『奥東京人に会いに行く』(晶文社)『ニッポンのマツリズム』(アルテスパブリッシング )『ニッポン大音頭時代』(河出書房新社)『南洋のソングライン 幻の屋久島古謡を追って』(キルティブックス)など。愛猫家。
広告・パブリシティ
24/07/14「奈良新聞」書評
24/06/09「新潟日報」書籍紹介